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第11章 花の精の旅立ち [ドイツ絵本『みつばちマーヤの冒険』 ]

『みつばちマーヤの冒険』
作 WALDEMAR BONSELS  絵 Anton M.Kolnberger 1953年
11maja1953.jpg
この章に登場する動物
Nachtflater 蛾 Glühkäfer 蛍 

  花の精とマーヤが夏の夜を飛んでいる時、鳥のように大きくて黒っぽい
蛾に出会います。蛾はいつも美しい蝶と比べられ、黒っぽくて
醜いと言われていました。でもマーヤに「きれい」と言われ、悲しい気持ち
から開放されたようでした。
  蛾に見送られ、花の精とマーヤが先へと進んできました。
「あ、星が落ちた」とマーヤは言いました。
「あれは蛍よ」と花の精がやさしく教えてくれました。
花の精はマーヤがいろいろな事を知らなくても笑わず、解るように手助け
してくれました。
  人間に出会える場所のジャスミンとスイカズラの茂みにやってくると
花の精は蛍に少し照らしてくれるよう頼みました。
「人間は私を夢でしか見ないのよ」と花の精は言うと、人間から見えないように
葉をまとい、輝く髪に青いリンドウの花をかぶりました。
そうして蔓の上の方にまで行きました。花の咲いているジャスミン枝のわきから
月の光に中に若い二人のカップルをマーヤに見せてくれました。
  マーヤは少し憂いを帯びてはいけど、幸福に包まれた美しい少女じっと
見つめました。花の精と同じ金色の髪を夏の夜の光が照らします。
赤い唇が少し開いて、哀愁と至福の吐息が漂います。まるで幸福を
すべて彼に与えたいようでした。少女は何か言うと、彼女の微笑が
魔法を掛けたようでした。
  マーヤは大地に生きている物が微笑むなんて知りませんでした。
彼の目は輝き、この世界全部が自分もののようで、悲しみ、災難は
永遠にこの世から消えたかのようでした。
  マーヤは、二人の姿に心深くうたれました。
人間がお互いに愛し合っている姿が一番美しいことを知りました。
そして振り向くと、蛍の光は消え、花の精はいなくなっていました。
  マーヤは遠く、細く赤くなっている地平線を見つめました。

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