So-net無料ブログ作成

『みつばちマーヤの冒険』 10/10 [ドイツ絵本『みつばちマーヤの冒険』 ]

第7章 クモに捕らえられたマーヤ ☆MAYAS GEFANGENSCHAFT BEI DER SPINNE
作 WALDEMAR BONSELS  絵 Anton M.Kolnberger 1953年

クルトにとっては何でもないので、にんまり笑いました。だいたい彼は特別力持ちの甲虫です。
  「考えてもごらん」と彼は静かに言った時、彼の頭の上で、怖いしゃがれ声がしました。
 「泥棒!助けて!私から獲物をうばうの。私の獲物をどうしようと言うの、太っちょのくいしんぼ」
「そんなに興奮しないで、マダム」とクルトは言いました。「わしだって、私の友達と話すことは
許されるだろう。もしこれ以上わしの気に入らないことを言ったら、巣をめちゃめちゃするぞ。
さてと、なんで急にそんなにおとなしくなったのかな」
  「私は悪運に見舞われた婦人のようね」とクモは言いました。
  「何も関係ないね」とクルトは思いました。「今、あなたがなす事は先に進むこと!」
  クモは敵意に満ちた、毒々しい目をクルトに向けました。でも、それから巣の上を見上げ
なすべき事を考えました。小声でののしり、激怒を秘めて、ゆっくりと引き返し始めました。
クルトを覆ってる硬い甲冑には、噛み付いても、突き刺しても、意味がありません。
  クモは早口に世間の不公平を猛烈に訴え、まずは自分の巣が見渡せる、しおれた
葉陰に隠れました。
  その間に、クルトはマーヤを助け出しました。糸を破り、羽と足を自由にしてあげました。
残りはマーヤが自分で解きました。喜びと幸福を感じていましたが、残る恐怖と
体の震えで、とても弱っていたので、ゆっくりと身づくろいしました。
  「忘れなさい」とクルトは言いました。「そうすれば震えも止まるよ。
飛べるかどうかやってこらん」
  マーヤはゆっくりと、静かにブーンと羽音を立てながら、飛んでみると、とてもうまく
いきました。体のどこも大丈夫でうれしくなりました。マーヤはジャスミンの茂みまで
ゆっくり飛び、香りの良い蜜のジュースをゴクゴクと飲みました。そして満足すると
キイチゴの茂みを離れ、草原に座っていたクルトのところに戻りました。
  「本当にありがとう」とマーヤは言いました。再び得た自由で、幸福いっぱいでした。
  「わしがしたことは感謝に値すのは確かだ」とクルトは思いました。「わしはいつも
こうだよ。さあ飛んでいきなさい。今日の夜は早くに眠るのだよ。家までは遠いの?」
  「いいえ」とマーヤは答えました。「すぐ近くのブナの林にいるの。お元気で、クルト!
あなたことを決して忘れないわ。決して一生涯忘れません」 おわり
ブナ/Buchen
Buchenwald_1.jpgbuchenblatt.gif
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0